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まほろば日記 四季折々、五感を通して感じること、想い出や呟きも含めた日々の徒然日記です

Just be yourself







今日は国際女性デー。


差別のない世の中を心から祈っています。



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今日は少し勇気を出して、個人的な想いを書いてみます。



☆☆☆



少し前にあった、日本の某政治家による発言をきっかけに、
ジェンダーについて、あるいは差別・区別することについて随分といろいろ考える機会を持ちました。


振り返ってみると、
私個人は、幼少期から、
女なのだから~しなさい、あるいは、女のくせに、
こういった言葉は祖父母や両親たちから一切言われたことがなく、
むしろ、男性も女性も信念をもって自分らしく生きなさい、と説かれたので、
兄弟とも男女差を差別されることはなく育った方だと思います。


それでも、肉体的には女性なので、
思春期の頃には
母から、
”まほろばちゃん、酷いことを云うようだけれど、
男の人は生物的に”雄”でもあるのよ、
男性は腕力が強い人が多いのだから、
体を護っていくことは女性にとってとても大切なことなのよ”とよく云われ、
当時はあまり深く考えもせずに、そうなんだ、と母の言葉を心に留めていました。


子供の頃からいろんな国籍の人と交わる機会もあり、
若い頃暮らした欧州でも、
同性のパートナーシップを持つ友人が周りに何人もいましたし、
男女差や人種、LGBTにも私個人は差別意識はない方だと思ってきました。


それでも結婚をしたときには、
私だけが姓が変わり、
戸籍も変わり、
パスポートから何からすべて書き換えなくてはならなくなった時には、
多少憤慨しました。
私にとってはそのときが、
性差について最も強く感じたことだったかもしれません。
現在では、職場では旧姓のまま通している人も多い世の中ですが、
結婚した当初は、自分の本名が変化したことに
ある種のアイデンティティクライシスも感じ、
それにアジャストするのに随分時間がかかったように思います。


結婚してしばらくたつと、
周囲の特に同性から、
“お子さんは”いらっしゃらないの?”といった言葉を投げかけられ続け、
その言葉にも当初は勝手に傷つき、
無言の圧力と感じた時期もありました。
女は結婚、出産、子育てをして一人前、と女性の知り合いからはっきりと言われたこともあります。
それでも私にとって救いだったのは、
主人の母、私にとっての義母からは、
一度たりとも、”孫の顔を見たい”と云われたことはなく、
その代わりに今でも、
“あなたたち二人が幸せなことが大切よ。私は孫が生まれなかったことは全く気にしていないわ”と
言ってくれることがとても救いで、義母には感謝してもしきれません。


これまで、
結婚しても自らの意思で子供を産まない女性たちとも多く出会いましたし、
結婚しなくても子供を産み育てている女性にも会いました。
そして、もちろん、
子供が欲しくて欲しくてたまらないのにも関わらず、
子供を諦める女性たちにも多く出会ってきました。


私個人にとっては、
仕事を通じてよりも、
結婚してからの方が、
否が応でも女性であることを意識させられる場面に多く直面したような気がします。




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以前暮らした欧州では、
本当に多様な生き方をしている人に数多く出会う機会があり、
わたしにとりそれは真に豊かな人生体験になっています。


当時親しくしていた知人・恩師といった年上の女性たちの中には、
彼女たちが社会の第一線でバリバリと働き、
ご主人様たちは家で主夫をしているというカップルが何組もいました。
時々わたしたちが女性同士でカフェやレストランで会話を愉しんでいると、
ご主人様たちが迎えに来てくれて、
その際には女性たちそれぞれに薔薇の花を一輪ずつプレゼントしてくださったり、
またご自宅に伺うと、
ご主人様たちお手製のお料理でもてなしてくださったり、
ご主人様たちが育てた自慢のお庭を案内してくださったりと、
和気あいあいと、平等で調和のあるカップルの在り方に刺激を受けたものです。
素敵だなあ、と思ったのは、
一家の大黒柱としての彼女たちが、
家の中で威張ったり、強圧的な態度は一切見せないどころか、
じつに可愛らしく女性らしく(この言葉もジェンダーフリーの世の中ではタブーかもしれませんが)
自然に振舞っていて、ああ、この人たちはお互いを尊重しているのだなあと感じたものです。


もちろん個人個人の心の本当の想いまでは誰にもわからないことですが、
権利ばかりを主張したり、
対立したり競い合ったりする在り方とは違う男女の在り方を沢山みてきたように思います。


以前、
美輪明宏さんが、
“性別も人種も年齢も肩書きも、その他一切の属性は見ないで、
その人の魂だけを見ればすべてがわかる”
というようなことを仰っているのをみて、
とても共感し、心から感じ入りました。


結婚して以来、主人が私にずっと云ってくれるのは、
”Just be yourself”という言葉です。
人目を気にしすぎるな、
自分自身に忠実であれ。
この言葉に支えられて私は日々生きています。


今日は女性の日ではありますが、
同時に、
対立や競い合いではなく、
調和や愛に満ちた『いい人間同士』による社会が少しでも実現できることを
心から祈ってやみません。


これまであらゆる差別と闘って乗り越えてきたすべての人を
称えたいと思う日です。







by mahoroba-diary | 2021-03-08 11:40 | つぶやき