2019年 12月 12日
『ヘンゼルとグレーテル』
言わずと知れたグリム童話のひとつ。
先日、実家で見つけた古い英語の絵本。
私にとっては、あまりの懐かしさに飛びあがりそうな1冊。
ヘンゼルとグレーテルは他にも何冊か持っていて、
お気に入りだったが、この1冊は子供心に特別だった。
本の表紙に紐がついていて、それを解くとこのように紙芝居のようになる。
原作はかなりおどろおどろしいお話だが、
絵本は、恐ろしさをそれほど前面に出していないから、
想像を膨らませながら、愉しく読むことができる。
特に森の奥深くで、
おなかをすかせたヘンゼルとグレーテルがお菓子の家を見つけ、
その家の中から魔女が出てくる部分はいつもドキドキして読んでいた。
美味しいお菓子につられて家の中に入ると、
しばらくして魔女は本性を表す。
美味しいお話には要注意、という子供への教訓もあるのだろうか。
人食い魔女はヘンゼルを捕まえて彼を太らせるために食べさせるが、
グレーテルは知恵を絞り、魔女を暖炉の中に押し込めて二人は逃げ出す。
魔女の家にあった財宝の数々を手にし、家路につくと
お父さんが待っていた。
貧しかった一家は豊かになり、めでたしめでたしというハッピーエンド。
考えてみればかなり残酷なお話でもあるのだが、
12月になると、特にドイツ語圏では、
子供たち向けに各地のオペラハウスで
フンパーディンク作曲「ヘンゼルとグレーテル」が上演される。
ドイツのある小さな古い街のオペラハウスでこの時期にこのオペラを鑑賞した際、
劇場の座席の半分以上は可愛い小さな子供たちが座り、
観劇を愉しんでいた。
魔女が登場するシーンでは、歌手の演技も見事だったからだが、
子供たちは大喜び。
わ~っと大歓声があがり、
一緒に観劇していて本当に可愛く微笑ましかったを覚えている。
先日、Youtubeを観ていたら、
大好きなキャスティングの懐かしい1枚があったのでここに張り付けてみます。
サー・ゲオルグ・ショルティ指揮×ウィーンフィル
演出はアウグスト・エヴァ―ディング
ヘンゼルは、ブリギッテ・ファスベンダー
グレーテルは、エディタ・グルべローヴァ
お父さんはヘルマン・プライ
1980年代の録音だと思うが、
当時の最高峰の歌手陣の声の美しさ・・・
全てのクオリティがとても高く、かつての珠玉の1枚がYoutubeで観れる時代になったのだと驚く。
そして、このオペラの序曲がとても牧歌的かつ抒情的で美しい。
by mahoroba-diary
| 2019-12-12 16:43
| 読書