2019年 11月 07日
まだブログを綴り始める前のことだが、
2015年にホテルオークラ東京本館が改装のため一時閉館となった。
日本モダニズム建築の巨匠、谷口吉郎が設計した名ロビーがなくなるのが寂しくて、
閉館前にはあの場に、しばらく座っていたことを想い出す。
確かあの頃、ロビー保存を訴えて、署名運動も一部で起きていたように記憶している。
あれから4年の月日が過ぎ、今年9月に新しく誕生したThe Okura Tokyo。
タクシーで乗り付け、車寄せから建物に入るとそこは全体の5階部分。
入口から入って右手には広々として懐かしいロビーの姿があった。
あの特徴的なランタンライト、椅子、テーブル、障子・・・
ご子息でいらっしゃる建築家・谷口吉生氏が、
御父様の建築を復元して設計されたのだそうだ。
広々としたロビーは以前の雰囲気とほぼ同じ意匠が組み込まれていて、
とても安心する思いだった。
建物の高層化は、今の東京のトレンドであるらしく、
オークラもまた同様に生まれ変わった。
かつて家族や友人とブランチやビュッフェを愉しんだオーキッドルームは、
オーキッドと名を変え、モダンな空間で多様な使い方ができそう。
隣には素敵なバーも。
大好きな中国料理の桃花林も健在。
ハレの機会の想い出が深いオークラ伝統のフランス料理、
ラ・ベル・エポックは、ヌーヴェル・エポックと名を変え、
その名の通り、オークラ・フレンチの伝統を生かしながらも
よりモダンな要素を取り入れた新しいフランス料理を提供するらしい。
鉄板焼きのさざんかも健在で、プレステージタワー41階からの眺望を愉しめるらしい。
かつて時折飲茶を愉しんだスターライトは、
バーラウンジとして、トップフロアから東京を一望できる
素敵な空間に生まれ変わったらしい。
ロビーから再び外に出ると、目の前には大倉集古館が存在感を持って佇んでいる。
国内外から数々の賓客をもてなしてきたホテルオークラ東京の新しい始動。
私にとってはもっぱら食とのお付き合いになりそうだが、
新たな門出に静かなる躍動感を感じたひとときでした。
by mahoroba-diary
| 2019-11-07 16:50
| ホテル