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まほろば日記 日々の諸々を綴ります

温故知新






昨晩、夕食後に
オットさまが徐に取り出して見せてくれた一冊のボロボロの書籍。
エドムント・フッサール著「イデーン(Ideen)」の英語訳。




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エドムント・フッサール(1859-1938)
オーストリアの哲学者・数学者。



今再び、彼の説いた『現象学』に興味を抱き、
これから読み直してみるのだそうです。



普段バリバリと現実社会の中で仕事をしていても、
ふと、メタ・フィジカルなことに興味を持つ・・・
私にはそういう気持ちがとてもわかるので、
頷きながら、ただただ話を聴いていました。





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私は私でふと、お気に入りの棚からドビュッシーのCDを取り出しました。


このCDの中には、7曲、
1913年になんとドビュッシー自身が奏でた録音が収められているのです。


クロード・ドビュッシー(1862-1918)
19世紀後半から20世紀にかけて、
独自の和声法を用い、
それまでのクラシック音楽の伝統から離れた様々な作品を生み出したフランスの偉大な作曲家。



久しぶりに聴いたのですが、
昔聴いていたときよりも、
今の方がずっと、耳に心にと、沁み込んできます。





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ドビュッシーが奏でているのは、
プレリュード第1巻の中から3曲、
子供の領分、アルバムのページ、レントより遅く、
『版画』の中の第2番グラナダの夕べ、の計7曲。


他には、20世紀初頭に録音された当時の名だたるピアニスト
(ヴァルター・ギーゼキングなど)の演奏が
収められています。


ドビュッシーの世界は、広い。
彼の音楽は、とても一言では捉えきれません。


55年の生涯の中で生み出された珠玉の作品の数々、
それらはとても多様で多彩です。


洒脱で、せつなく、陰影に富み、茶目っ気や遊び心も覗かせる。
ときに欧州各国や地域、またアジアの国々などの民俗音楽をも取り入れ
国境や時空をも超越する。
神秘的で、不思議で、虚実ないまぜになったかと思いきや、
アブストラクトな表現もする。
色彩豊かに、儚くうつろう音の響きは、
絵画を眺めているようでもあり、
小説を読み、旅しているような気持ちにもなる。


独特の色気を醸し出す、
1913年当時のドビュッシー自身による柔らかなタッチの演奏に、
その時代の雰囲気や精神までもが伝わってくるような気がします。




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最近集め出したヘレンドのアポニーシリーズ。
グリーンが有名ですが、
私はあえて色違いにして、
その日の気分で好きなカラーを選び、ティーやコーヒータイムを愉しんでいます。



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この図柄は1860年代に、
ハンガリーのアポニーという伯爵が
ヘレンド社に急な依頼をし、
すでにあった「インドの華」を簡略化し
急ごしらえで作られたもののようです。


当時のハンガリーはオーストリア・ハプスブルグ家の勢力下にあり、
多民族国家として機能していた最後の時を迎えようとしていた時代。


ヘレンドの鮮やかな色づかいは、
マジャールの民の歴史と誇りと性質を
そこはかとなく伝えてくれるような気がします。
そしてまた、ウィーンに寄り付かず、自由を求め
ハンガリーを終生愛した、皇后エリーザベトの人生をも
どことなく想い出させてくれます。



図らずも19世紀後半から20世紀初頭を彩った事柄を並べましたが、
この時代のヨーロッパは私にとり、本当に魅力的です。
ある意味で、ヨーロッパがヨーロッパたりえた最後の時代ではないかとも思います。
特にウィーン、パリの19世紀末は
若い頃に嵌まって熱病に罹ったほど。
今東京にはクリムト展も来ていますから、
折を見て、またあの世界に少し浸ってみたいと思います。



政治も経済も文化も、
美しいと思えることが少なくなってきた昨今、
時には現実から離れて、
温故知新の時間も悪くないと思っています。



そして、願わくば、
そこから何か新しい発見をし、現代に結びつけられれば良いのですが・・・










Commented by rhapsody_uhuhu at 2019-05-22 09:56
おはようございます。
コメントでは 初めまして♪です(笑)

現象学と ドビュッシーの作品は
言葉では表現することが難しいですが
実に興味深く惹き込まれてしまいました~。

好きなカップでコーヒー飲みながら
読書をし 背景で、ドビュッシーの音楽が聴こえ
なんて素敵な時間♡

ヘレンドのアポニーシリーズの色違いのカップも
胸がときめきます。

現実から離れ 温故知新の時間を共有させてもらい
ありがとうございます。

(中目黒のご婦人とのスタバも憧れます♡)

また寄させてください♪




Commented by mahoroba-diary at 2019-05-22 10:21
リエールさん、はじめまして、こんにちは♬
コメントをいただけまして、とっても嬉しいです。ありがとうございます。
普段は現実生活に追われる現役世代ですが、ふと普段は忘れている、昔読んだもの、聴いたもの少し難解な事柄にも触れたくなる時があります。昔はわからなかったけれど、今ならば少しわかる、そんなことがだんだんと増えてきました。
リエールさんのプロフィールを拝見させていただきました。
La Vita e bella ・・・大いに大いに共感いたします。わたしこそ、これからもお邪魔させてください。どうもありがとうございます。
by mahoroba-diary | 2019-05-21 13:50 | 好きなもの | Comments(2)