2017年 06月 12日
葉山にて絵画鑑賞と散策/山口蓬春記念館
昨日は午前中に愛犬とたっぷりお散歩をした後、
海と緑と紫陽花の絵を観たくて、
主人とドライブがてら葉山へ出かけました。
近代美術館に車を停めて、ほど近い山口逢春記念館へ。
このような小道が葉山らしいです。
閑静な住宅街に、かつて蓬春が暮らした御宅が
記念館として開放されています。
裏山の緑が目にも鮮やかです。
ガラスに山口蓬春記念館と彫られています。
風景と馴染み、威圧感のない外観、
蓬春モダニズムと呼ばれた彼の芸術と調和した玄関だと思います。
四季折々の植物が植えられたお庭に玄関へと続く階段が施されています。
とても心が落ち着きます。
現在開催中の展覧会。
絵の数はそれほど多くはないのですが、
どうしても紫陽花の絵が観たくて訪れました。
さっそく紫陽花がお出迎えしてくださいました。
ガクアジサイ
蓬春の絵にも描かれています。
ほかにも季節の花々がたくさん咲いています。
この緑が、日本画では緑青をつかって描かれるのですよね。
ほんとうに美しい緑。感動的です。
階段を上がりきると、玄関です。
前回の訪問は昨年の2月でした。
そのときはテラスのしだれ梅が美しかったのを覚えています。
蓬春のアトリエ
こちらのお宅はもともと社員寮としてあったものを蓬春夫妻が買い取り、
昭和23年に、東京美術学校の同級生だった吉田五十八が設計して
増改築した上で移り住んだとのことです。
大きな窓ガラスの外には四季折々の樹木が植えられたお庭をのぞむことができ、
とても開放的な雰囲気です。
遠くには葉山の海ものぞめます。
反対側にも大きな窓があり、青もみじの緑の美しいこと。
こじんまりとしていながら整えられた美しいお庭がのぞめます。
この窓枠の木枠の細さ、こんなところに吉田五十八らしいセンスが伺えます。
いつ来てもあまりにも好きな空間、しばらくぼーっと眺めていました。
こういう細部の意匠と技術、素晴らしいですね。
絵具皿
筆洗場
玄関付近からアトリエを眺める
昭和23年から亡くなった昭和46年まで、
23年間をこの御宅で暮らされた山口蓬春夫妻。
ここから生まれた数多くの名作は戦後、和と洋の融合の結晶として実を結び、
今なお新しい感性で私たちに寄り添い、時に刺激を与えてくださいます。
吉田五十八もまた欧州に学んだ後、数寄屋造りをモダン化した建築家、
二人の「出会い」がこの葉山の地でひっそりと実を結び、
今なおしっかりと保存されていることに感動を覚えます。
今回鑑賞した紫陽花の絵の色彩の美しさ、
モダンなデザイン感覚、写実性、すべてが融合して本当に美しかったです。
蓬春亡き後は春子夫人が、20年間に渡り保存に努められたとのこと、
生前も、本当に愛情をもって尽くされた賢婦人でいらしたのだろうなと、
館内を拝観しているとひしひしと感じます。
また来るね、と紫陽花にご挨拶をして記念館をあとにしました。
次回は是非、紅葉の時期に訪れたいです。
近代美術館に併設されているレストランで
遅い昼食をいただきました。
眼前には葉山の海と空がのぞめます。
ミネストローネ
ハンバーグ
ご馳走様でした。
海に向かって散策、
波の音が心地よいです。
御用邸近くの海岸にはたくさんの松林が美しいです。
途中、休憩がてらお茶をして、
再び海岸へ。
浜辺では、真っ黒に日焼けしたお兄さんたちが、
せっせと海の家を建てていました。
海開きはもうすぐですね。
これから夏にかけて大賑わいになるのでしょう。
葉山から逗子へ海岸沿いに車を走らせ、
鎌倉材木座付近を通り、
鶴岡八幡宮さまの前を通り、北鎌倉へ抜けて、
そのまま車を走らせて帰途につきました。
ほんの束の間ですが、
海風と新緑と絵画と、そしてほどよい賑わいの中で過ごした
静かな日曜日でした。
新しい週がまた始まりました。
今週もよい1週間になりますように。
皆様もどうぞよい月曜日をお過ごしくださいませ。
by mahoroba-diary
| 2017-06-12 11:09
| お散歩