人気ブログランキング | 話題のタグを見る

まほろば日記 四季折々、五感を通して感じること、想い出や呟きも含めた日々の徒然日記です

ジャン=マルク・ルイサダ







主人の帰宅前。
その日するべきことを終えて、また、夕食の準備を終えて、
ひとり静かに音楽を聴く時間は、
わたしにとっていつもかけがえのないひとときとなります。



ジャン=マルク・ルイサダ_b0362781_09352360.jpg



昨晩の1枚。
ジャン=マルク・ルイサダのショパンが聴きたくて取り出した。



彼の演奏も20代の頃からよく聴いている。
今からだいぶ前のこと。
ある欧州の街で彼の演奏会に足を運んだ翌日、
とあるレストランでランチをとり、
席を立って振り返ると、なんとルイサダがすぐ後ろで食事をしていて、
私の顔を見るなり、破顔一笑、本当にニコッと笑顔を向けてくれたのだった。
その時の事は、私にとり、今も忘れられない良き思い出となっている。


彼の演奏は、流麗で、粋で、、、
洗練とはなにかと思わず再考させられる。
フランス的である、とも言わざるをえないだろう。
それでも、決して表層的なそれらではなく、
確実に彼自身の誠実で真摯な感受性から発していることがわかるから、
心から魅了される。
そして、なにより演奏に温かみがある。
心が開かれている。
彼のあのあたたかく、愉快な笑顔を懐かしく想い出す。



ジャン=マルク・ルイサダ_b0362781_09353838.jpg


様々な音楽家の演奏から、
人間としての理想像やあるべき姿を想像することも悪くない。
作曲家が残したスコアをどう演奏し、どう味付けをするのか。
そこには伝統があり、個人の技量技術があり、そして感性が形作る。
多分に演奏する人の人間性や人生経験も反映される。
そしてそれは演奏を聴く側のそれらと呼応する。
スタイルとはなんぞや、
ということを体感し考えるのにも、音楽鑑賞はとても良い時間になる。




少し前から、国内外のニュースに触れたり、
身近なところで起こる様々な問題に触れ、
なにかが急速に変化しているのを感じて、
時折不安を覚える。
地震や異常気象といった自然災害の脅威もある。
オリンピックを前に次々に変化していく東京のど真ん中で生活していることも
心理的に影響しているかもしれない。
なにかホッとできる、過去からの連続性の上にいる自分を無性に確認したくなる時がある。




by mahoroba-diary | 2018-07-19 10:29 | 音楽